オルタナティブ教育を考えるなら『「生きる力」の強い子を育てる』
「生きる力」の強い子を育てる 人生を切り拓く「たくましさ」を伸ばすために
天外伺朗 著
帯から強烈です。
誰の目から見ても いい子 は、本当は非常に危うい。
「生きる力」の強い子を育てる 人生を切り拓く「たくましさ」を伸ばすために
ソニーでAIBOの開発などを主導された筆者の方は、猛勉強して入社してくる社員に「自由意志がなく」、名目上の肩書きだけが与えられていることに危機感を覚えたそうです。
メーカーが安泰だった昔ならともかく、今の日本の状況ではそんな人たちの席はどんどんなくなってきています。有名大手企業がこぞってリストラをすすめているのを見るとそれが正しいのがよく分かると思います。
大切なのは自己実現に向かう力
筆者は、大切なのは極端な画一的知識偏重の教育ではなく、人生をたのしみ、目的を定め、自己実現に向かう力だと訴えます。
この本には2つの目的があるように思いました。
一つは、夢中になってなにかに取り組んでいる状態「フロー」の説明などにみられる「生きる力」を育てるための発達論を教える役割です。
フロー・バーストラウマ・早期教育の弊害・しつけではなく引き出す教育を、などが語られます。
もう一つは、シュタイナー教育、モンテッソーリ教育、サドベリー教育などの「オルタナティブ教育」についての入門書としての役割です。
いろいろな教育法が世の中にはありますが、それぞれが実際どんなものかはあまり分かりませんよね。この本を読めば、ネットでは収集することができないそれぞれのオルタナティブ教育についての概要が掴めると思います。
子どもの教育についてどうしようかと悩んでいる方は、一度この本を読んでみたら子どもを進ませたい方向が見えてくれるかもしれません。
おススメの教育書です。