『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』をより深く掘り下げる裏話!(舞台挨拶から)
広島、呉に嫁いだすず(のん)の戦時中の生活や苦悩を描いた感動の大ヒット作「この世界の片隅に」(監督 片渕須直)が約40分もの新規カットを加えて長尺版になって公開!
それが『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』です。
公開直後から「加わったカットによってこれまでの部分も全然違った印象を覚えるようになる全く新しい作品だ」と話題の本作。
今回、片渕須直監督とのんさんの舞台挨拶を拝見させていただきましたので、そこで話された裏話を覚えている限りシェアさせていただきます。
*録画録音不可のイベントだったため、正確ではないことをご了承ください。
そうだったのか…と納得したり、より物語を深くとらえることができるお話を聞くことができました。
幾分のネタバレを含むかもしれないので、もし気にされる方は先に劇場に足を運んでいただいて、映画をご覧になってからこの記事を見返していただければと思います。
新キャラクター テルちゃん(花澤香菜)の出身地は?あの方言はどうしたの?
今回追加されたエピソードで、テルちゃんという九州なまりの女性がでてきます。アニメファンからは人気声優の花澤香菜さんが担当されるということでも注目をあつめました。
テルちゃんのセリフは九州の方言と瀬戸内海の方言が混ざっていたため、監督はその方言の特徴と一致する福岡県飯塚の出身である、と決めたそうです。飯塚は炭鉱の町だそうで、そのような土地から呉の花街にくることになった背景なども想像されたとか。
そこで、実際に飯塚の方に台本を読んでいただき、花澤さんにはそれを聞いてもらったり、より背景的なものを想像してもらいながら練習してもらったということでした。
花見のシーンのリンの着物の意味
すずとリン(岩井七世)のやりとりが印象的な花見のシーン。
この日付4/3は実際に海軍もお休みだったそうです。
同時に沖縄の地上戦が始まる時期でもあり、呉にも空襲警報が鳴り響くようになった戦争の恐怖と死を日常に感じるようになった直後のシーンでもあります。
監督はこのシーンを作るにあたって、リンの着物を他のシーンのピンクを基調としてものから、死をイメージする黒を基調にした着物に変更したそうです。
「入市被爆」について
軍港のある呉が大空襲にあったときに広島市から十万個のおにぎりが届けられるシーンがありますが、実際に起こった出来事だそうです。
そして、広島に新型爆弾が投下されて大変らしいということを聞いた人々が広島市内に応援に行こうとします。そして原爆投下直後の市内に入って体調不良を起こす人々の様子が描かれています。
これも「入市被爆」という実際にあった出来事だそうです。
壊れたすずの実家にいた子どもたちの秘密
すずの実家は広島市江波(えば)というところにあり、実際に多くの人が広島中心部から逃げてきたそうです。
壊れて荒れ果てたすずの実家も、3人の戦災孤児が住み着いてしまっている状態でした。
男の子と女の子と、坊主の子です。
この孤児たちはすずと同じ兄弟姉妹の構成で
「兄」「姉」「妹」
の構成なのだそうです。
一番下の坊主の男の子に見える髪の無い子は女の子…これは原爆症で髪の毛が抜けてしまった子を表しているそうです。
舞台挨拶で登壇した のんさん の姿を初めて拝見したのですが、かなり大人の女性という印象でびっくりしました。
TV時代の役柄からか、背が低く、頬がぷっくりした童顔なイメージを勝手に持っておりました。
実際に見るとかなり大人な女性で、小さい顔にスラっとしたリカちゃん人形みたいな体形の素敵な女性でした。
印象が変わりましたね。
いかがでしたでしょうか?ご覧になった方も読んでみてびっくりする内容があったかもしれません。
是非劇場にリピートしてすずさんに会いにいってはいかがでしょうか?