日本の犯罪者引き渡し条約締結国はわずか2カ国!!ゴーン被告の出国はどうやって行われた?今後はどうなる?

大晦日の朝、カルロス ゴーン被告のまるで映画のような日本脱出劇のニュースが世間を驚かせました。

日本全体が緩む正月前の大晦日。彼はどうやってこの計画を実行したのでしょうか?そしてこのあとはどうなるのでしょうか?

犯罪者引き渡し条約を結んでいないのでほぼ自由の身に

ゴーン被告はすでにレバノンに到着しているようです。

犯罪者引き渡し条約と言えば、ファーウェイCFOの孟晩舟さんがカナダで逮捕され、 引き渡し条約のある米国に引き渡されるかどうかということで、中国在住のカナダ人が報復的ともとれる逮捕をされるというニュースがありました。同じような経済がらみの事件ですので思い起こした方もおられるかもしれません。

日本はレバノンと犯罪者引き渡し条約を結んでいないのでゴーン被告が日本に連れ戻されることはもうないでしょう。それどころか、日本がこの条約を結んでいるのはたった2カ国アメリカと韓国だけです。

今後、ゴーン被告はこの2カ国に立ち寄り、かつ現地の当局が逮捕しない限りは日本にもどってくることは無さそうです。

1.1追記

やはりレバノンは犯罪者引き渡し条約がないためにゴーン被告を日本に引き渡すことはないと主張してますね。同時に日本とは友好的な関係を維持したいと強調してますが…

パスポートは誰が?

パスポートは新しく用意されたもののようです。

カルロス ゴーンの名義ではないそうですがどこが用意したのでしょうか?ゴーン被告は母国レバノンでは成功者として尊敬を集めており、レバノンの大使もなんども接見していたのでレバノン政府が発行した可能性もありそうです。

国際犯罪になる可能性があるので偽装パスポートや他人名義などてはなく、ゴーン夫人や外務省などが手続きをし名前をかえて発行などの手続きを行ったのかもしれません。真相の解明が待たれますが、どこかの国との国家ぐるみの脱出劇ということになりそうです。

1.1追記

日本からトルコ行きのプライベートジェットに「木箱に隠れて」乗ったかもしれないとのニュースがありました。

ということは、新名義のパスポートはレバノンへの入国前までに受け取ったということになります。また、パスポートはフランスのものだそうですが、フランス政府は関与を否定する声明を発表しているようです。

同じく、レバノンも「出国」に関する関与は否定しました。また、ウォールストリートジャーナルが妻キャロルさんが主導してチームで脱出計画を実行したと伝えています。日本で脱出計画を外国人だけで実行できたかは疑問な所です。脱出チームに日本人協力者は含まれていたのでしょうか?また、妻キャロルさんは逃避先のレバノン政府高官などとの事前の打ち合わせをしていたことも想像できますが、こちらもレバノン政府は否定することでしょう。

空港など水際で止められなかったのか?

空港や出国手続きの人間は気づかなかったのでしょうか?

残念ながら、プライベートジェットで出国したそうなので空港で止めるのは不可能でしょう。

プライベートジェットは空港の待合室に行くことなく、直接飛行機の横に車を乗り付けてその場の手続きだけで乗り込むことができます。

運行計画を事前に提出する必要がありますが、検察が認識していたカルロス ゴーン名義のパスポートではないのでこの裏技を使われたら予見することはまず不可能でしょう。もしレバノンの外交官などが同席していたとしたらろくなチェックもされなかったかもしれません。

1.1追記

日本からトルコ行きのプライベートジェットに「木箱に隠れて」乗ったかもしれないとのニュースがありました。

これが本当であれば日本を出る時点ではパスポートや出国手続きなしの不正出国となります。

またトルコに着陸したのでしょうか?その時点でパスポートがなければ同じく不正入国をしたことになります。それとも行き先を変えてレバノンや軍事基地、中東のライベートジェット用の空港などに着陸したのでしょうか?レバノン政府は「レバノンへの入国は合法的」といっていますが、日本からの不正出国の脱出劇に関しては各国ともに関与を否定せざるをえないと思います。

今後どこに住むのか?

おそらく、これだけの好待遇で迎えてくれたレバノンにしばらく腰を落ち着かせるのではないでしょうか?

安全を喫して日本はもちろん犯罪者受け渡し条約があるアメリカ・韓国にも近寄らないでしょう。

また、第二の故郷とも言えるフランスにも近寄らないかもしれません。

一連の逮捕に関してはフランス政府の要望で日産をルノーに完全子会社化するという目論見があったので日産と東京地検が動いたとも推測されました。結果的には真相はわからずフランス政府やルノーのその後を見るとトカゲのしっぽを切られた感があります。

フランスは黄色いベスト運動などが行われるように超官僚社会・超階級社会なのでゴーン被告の人気があるわけでもないでしょう。ルノー時代の汚職などの容疑から逮捕され、日本との外交カードに使われる危険もあります。

引き渡し条約は「二国間で要望があったら引き渡す義務を負う」もので、二国間で引き渡し条約がなくてもやりとりする義務がないだけです。逮捕する名目があれば外交カードとして引き渡されることはできるのですから、逮捕の理由をつけることができる国には立ち寄らないかもしれません。

もう日本に来ることはないと思いますが、時効の計算は海外渡航している間はストップするそうなので日本では永遠に容疑者となるでしょう。

今後のゴーン被告の生活は?

日本としては世界的に有名な経営者を逮捕し、スパイ映画のように逃げられたのですから国家の恥レベルの失態になります。

声明を発表するそうですし、本件に関して本も出版するでしょう。

様々なところで、日本の司法と日産・ルノーの悪口が報道されることになります。

この脱出劇はあまりに劇的です。Netflixあたりが映画化しても不思議はありません。「パナマ文書」など話題のある事件を独自に映画化しています。アメリカ本国ではディズニーの配信サービスなどが開始され契約者数が伸び悩んでいるようなので、日本をはじめとした海外にも注目しています。日本やフランスの関心を集めるであろうこのニュースがこんな劇的な展開を迎えたからにはその可能性もあります。

もとより保釈金を捨てるくらいの財産はまだ残ってそうですし幾つかのプライベートな会社もあるでしょう。ゴーン被告の今後の生活は安泰だと思われます。

1.1追記

不正に出国をして逃げたことでゴーン被告が声高に無罪を主張しても耳を傾けられにくい状況になっていましたが、どこかの国家主導ではなく妻キャロルさんが脱出計画を主導したということだと「妻が夫のために危険を顧みずスパイのように活動した」という献身的で強い女性の美談としてフィクションの題材にあがる可能性がありますね。日産と日本政府にとっては頭の痛い話になりそうです。

1.1追記 不正出国によって日本は強い姿勢を取らざるを得なくなる

第一報を聞く限り、別名義のパスポートを使い「どこかの国の庇護のもとで」裏技的な合法の手段で出国したという印象がありました。そうでないとゴーン氏が嫌がっていたように「やっぱり犯罪者だったんだ」とみなされかねず、これまで訴えていた信頼を自分で傷つけるからです。 ですがどうやら「木箱に隠れて」違法に出国したということが語られています。

身の潔白を証明するために裁判に出るとまで豪語していた氏が「どこの国家も認めない(レバノン政府は合法的な『入国』だとは認めてますが関与は否定するでしょう)」不正出国という犯罪を犯したわけですから、今後ゴーン被告は世界に対して、日本の司法制度がいかに非人道的であり「違法出国はやむを得なかった」という理論を強めて必死に自身の潔白をアピールしてくるものと思われます。

スノーデン氏など「国家と国家の問題」で手出しができない亡命者のような扱いならともかく、「個人の力で不正出国され、世間的にはもう自由人」というのは日本の対面をかなり傷つける事件です。 日本としてはパスポートの入手経路どこの誰が関与したのかを徹底的に追及する姿勢を見せないと 「国家規模で監視されていても逃げることができ、逃げられても捕まえることもできなければ対外的に断固とした態度も取れない弱腰国家」とみなされます。