生理バッヂ問題をイクメン視点で語る

  • 大丸梅田店が生理中ですというバッジを考案し、批判があったため着用を中止したという事件
  • 生理中の無理はしわ寄せがどこかにいきます。ストレスの負の連鎖です
  • 一番いいのは思いやりを与えあうことです

最近、大丸梅田店の生理バッジの件で生理のことが話題になってますね。
年上の人が「自分たちのときにはなかった甘えだ」とか「更年期の人はどうするんだ」という一方、若い世代は「世の中を良くしようとするとすぐ年上が邪魔してくる」「女の敵は女」と返したり…

ちょっと視点を変えて、夫の立場、父の立場からこの問題について語ってみたいとおもいます。

結論的にはバッヂには賛成です。理由は職場のストレスを職場で解決せずに家庭に持って帰ると不幸になるからで、「私たちの時代は我慢したのに」という人はストレスを抱えたぶんだけ家庭に不和を持ち込んでいた可能性が高いからです。

ストレスの行き先を考えてみると

生理中の痛みは男にはわからないものですが、体調不良のときに無理をしなければいけない辛さはだれしも経験したことがあることだと思います。

そして無理をおして仕事をこなすときに、「周囲が気遣ってくれるアクシデント」か「月に一度くるから対処して当然だろう」と思われるかでは感じるストレスが大きく違います。

当然だとプレッシャーを受けながら誰の手も借りられずに仕事をしたら、相当なストレスを抱えることになるでしょう。

さて、このストレスはどこにいくのでしょうか?

無駄遣いなどができれば買い物で発散するという方もいらっしゃるでしょう。それができる金銭的・時間的な余裕がある方であればまだ救いがあります。

でも家庭があって子どもいたら、その手段を取るのは困難でしょう。

生理なのに仕事を無理して嫌な目にあい、家に帰る。

そんなとき、夫や子どもの些細なことに怒りが爆発したりしてないでしょうか?

これを私はストレスの「負の連鎖」と呼んでいます。

大切な家族に「負の連鎖」で押し付けても不幸になるだけ

生理中のストレスに限らず、人間は弱い動物なので何らかのストレスを受けた場合に必ず出しやすい場所にストレスを出して発散してしまうのです。

職場の愚痴を聞いてくれる旦那さんがいてくれる方や、LINEで愚痴をすれば全部スッキリするというメンタルの方は幸せです。

でも、そうでなければ家庭に帰ってイライラした態度のままでいたり、家事分担がなってないときに冷静に話し合わなければいけない所なのにアラを見つけた上司のように必要以上に旦那さんを責めてケンカをしたり、子どもの態度にいつもより我慢ができなかったりという形で家庭にでてきます。

家族に擦り付けたストレスは、また負の連鎖をしていきます。

必要以上のストレスを受けたと感じた男性は、その場で言い争そってすっきり仲直りできる関係であればまだいいのですが、もしかしたら口で勝てずにDVに走るかもしれません。発散するためにパチンコをしにいったり、家庭に帰るのが怖くなってネカフェに居ついたり、夜の街に消えるかもしれません。

必要以上に叱られて理不尽だと感じた子どもは、学校の友達や動物に向けてそのストレスを発散させるかもしれません。出せない子どもは問題行動が多くなったり、大人になって親の養育を放棄したり孫が生まれても帰ってこないという風に恨みを返すかもしれません。

職場のストレスを職場で解決せずに持ち帰ると、大切な帰る場所だったはずの家庭を不幸にしてしまう可能性があるのです。

昔、専業主婦が多かった時代には父親が職場の不満を家庭に持ち込むことが多かったことでしょう。その結果として、熟年離婚率が高まっています。

共働き家庭が多くなったということは、お互いがストレスを家庭に持ち込む率が高まったということです。

と同時に、ストレス発散のためにお金を使う余裕がない程度の賃金しか稼げない時代だということでもあります。

お互いが職場の不満を家庭に持ち込んでしまい、お互いに労わりあえない関係だったとすると…家庭が壊れる確率は専業主婦時代の2倍以上になりえます。

だからこそ

「職場の不満は職場で解決する」

ことが重要なのです。生理バッヂはその手助けになる手段のはずでした。

「昔は我慢してきた」は正しくない。必ず「負の連鎖」を起こしていたはず

最初にあげた「自分たちの時にはそんなことはなかった。甘えだ」と生理バッヂを批判していた方はどうでしょうか?

仕事を立派に勤めていても発散できる状態だったというのであればいいのですが、実はストレスの負の連鎖を弱い立場の同僚や家族に振りまいていた可能性もあります。

それでは立派に勤めあげたとは言えない筈ですし、なにより

家庭や友人関係が幸せだったかどうか疑問な所です

 

生理バッヂはこのストレスの負の連鎖を止める現代的な良い案だったのではないかと思っていましたので、今回の中止は一イクメンの目からみて残念な結果でした。

辛いときに「タスケテ」と頼むのはとても勇気がいることですが、ストレスの負の連鎖を避けるためには必要なものです。

でも一番良いのは、生理かどうかにかかわらずお互いが気遣いを分け合う環境ではないかと思います。

ぜひ、バッジを使うまでもなく助け合いフォローできる環境を作ってください。

 

男性も「生理に理解を示せ」と議論される以前の話で、 性別の差関係なく ギスギスした職場環境を改善するように努力すべきだ、という話なんだと思います。